※映画についての感想ではありません。
映画『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』を4回観た。
1回目は1人で。
2回目から4回目はそれぞれ異なる友人と2人で。
自分で言うのも変かもしれないが、私は1人行動が得意なほうだと思う。
映画、旅、外食、温泉、カラオケ…
このあたりは全部1人で行くし、できるし、日常である。
一人焼き肉はまだしたことがないがそのへんは余談なので割愛。
1人行動のメリットとして、他の人に気を遣わなくてよかったり、自分の好きなことに好きなようにお金を使えたり、スケジュールをギチギチにしてものんびりにしても突然変更してもなんでも良かったり、そもそも誰かを誘う際の連絡時間が不要であったり……等があると思う。
最近はSNSが発達しており、私もTwitter(現X)やInstagramを使用するため、1人でご飯を食べてもすぐにそれを誰かしらに見せて反応を得ることができる。
そのため1人行動をしていても完全に孤独を感じるわけではない。(私の場合)
私が1人で映画館に映画を観に行くようになったのは大学で1人暮らしを始めてからだ。
・アルバイトができるようになったため自由に使えるお金が増えたこと
・Twitterを始めたことでそれまでよりも他人の口コミを見る機会が増えたこと
・自分1人で行動する範囲が広がっていったこと
これらが映画を観るようになったきっかけだろう。
大学の友人に誘われてウン年ぶりの映画に行った際に、映画館で観る映画の良さ、劇場で観れる期間の短さに気付いた。
年間に何十本、何百本も観るわけではないし、自分の気になったものしか観ないため映画オタクは名乗らないし、名乗る気もない。
高校生までは数年に1本観る程度であったが、大学生のうちは少なくとも2か月に1本程度は観たのではないだろうか。
そんなわけで、私の1人〇〇の中でも特に1人で行動するのが当たり前な事柄に【映画館での映画鑑賞】が追加された。
さらに、私は去年の秋に『RRR』という映画に出会ってからインド映画にハマっているため、2023年はインド映画をよく観に行った。もちろん1人で、だ。
友人を軽く誘ってみたこともあったが、大抵やんわり断られるためインド映画にハマった早い段階で人を誘うのをやめてしまった。(配信で見てくれた友人はいる。見てくれてありがとう!)
2023年11月に『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(以下『ゲゲゲの謎』)が公開され、口コミで人気が出た。私もTwitter上の口コミでこの映画を知り、劇場に足を運んだクチだ。
初めて観たときは、映画の後に買い物でもしようと思いながら軽い気持ちで映画館に行った。しかし、映画の内容に衝撃を受け、鑑賞後は買い物をする余裕などなかった。内容を思い出しながら自分なりに解釈し、ひたすらTwitterで他の人の感想や二次創作を漁った。
……少し話がずれたため戻す。
この映画はアニメ映画であり、1回目の観賞後、ぜひ身近な友人にもこの映画を知ってもらいたいと思い強く勧めた。映画館に連れて行ったほうが確実に観てくれるであろうことはわかっていたため、私は「何回でも観るし、一緒に行くから!5回行った映画もあるくらい、複数回の観賞は苦じゃないから!」と友人たちを誘った。
結果的に3人が一緒に映画を観てくれた。
映画の予定をたててその日までワクワクして、誰かと同じ映画を観て、映画についての感想を一緒に観た人と共有する、というよくある映画鑑賞の流れを数年ぶりに経験できた。
嬉しいことに、友人は3人ともこの映画を気に入ってくれた。
それだけでなく、友人たちはその後もTwitterで他の人の感想や二次創作を見てそれを私に共有してくれたり、文章にして感想を教えてくれたりした。
インド映画を観る際には、感想を共有できる相手が身近におらず、インド映画について他の人と語れるアカウントも持っていないため、Twitterで知らない人々の口コミや上映情報を確認して劇場に行き、Twitterで知らない人の感想を見て1人で共感し、映画の背景を知って1人で納得し、俳優さんを知っていく度にSNSをフォローしにいくことで、映画鑑賞後の自分の心と頭の中を整理していた。
1人での映画鑑賞しか知らなければ何も思わなかったと思うが、『ゲゲゲの謎』を通して私は人と映画を観ることの楽しさ、その後の感想大会の楽しさ、身近な人が同じ映画についての感想を言葉にしてくれる嬉しさを知ってしまった。
もちろん今後も1人で映画に行くと思うが、どうしても今回感じたことを思い出してしまうのだろう。
さて、話は変わるが、「発達課題」というものをご存じだろうか。
エリクソンが提唱しているものと、ハヴィガーストが提唱しているものがある。(おおまかにはどちらも同じ内容である。……と私は理解している)
私は現在23歳であり、エリクソンの成人期、ハヴィガーストの成人前期に当たる年齢である。
成人期の課題は「親密性 対 孤立」、成人前期の課題は「配偶者の選択・結婚相手との生活の学習・子どもの養育や家庭の管理・仕事に就くこと・市民としての責任を負うこと・適した社会集団を選択すること」とされる。
他の項目が気になる方はググってください。
最近、この発達課題はとても良くできているのではないかと思う。
自分の年齢が上がるにつれて、”実年齢に対して精神面が成長できていない大人”という存在を具体的に見る機会が増えたが、そのような人々は大抵、発達課題のどこかをクリアできずに年齢を重ねているように思えるのだ。
もちろん、発達課題をクリアしていくことだけが人生の正解ではないと思うが、20年ちょっと生きてみた私はそのように感じている。
また、人間は1人では生きていくことができない社会的生物であるとも強く感じる。
人と関わるからこそよりイキイキと生活できたり、1人でも1人じゃないという実感があってこそ1人の時間を楽しめたりするのではないだろうか。
上記のような最近の自論と友人と映画を観たことでの感想をまとめる。
友人と同じ映画観て感想報告会しあえるの最高!!!!!!!!!!
1人行動に慣れたことでどこにでも1人で行ける、だいたいなんでもできる、というメリットや人と行動することのデメリット(私の場合は様々なめんどくささ)を意識しすぎてしまっていたのではないかと思う。
誰かと過ごすことの楽しさ、誰かと同じ体験をして気持ちや感想を共有できることの嬉しさを忘れずにしていきたい。
偶然といえば偶然であるが、私にとって『ゲゲゲの謎』は、友人を始めとする周囲の人とどのように関わるのが一番自分にとって楽なのかを再度考え直さなくてはならないと気付かせてくれた映画となった。
以下余談
恋愛の話?
1人で行動できるし、どこでも行けるし、人と付き合うってむしろめんどくさそうだなと思っていたが、今回の映画みたいに自分が何か感じたことや相手が何か思ったことを共有しあえる相手ができるというふうに考えるならば、彼女や彼氏をつくってみるのも悪くはないのかなと少し思えた。
まあ、その場合は映画にいくときだけの友人とはまた別な存在になるはずなので必ずしも同じ事柄の感想を言い合えるわけではないのだろうけれど、日常で感じた小さなことでも共有できる相手がいるって良いのかもしれない。
Twitterは続けるけれど、どうしても1人で壁打ちしている状態に近いから、人と話すってなると違った感覚になるのは今回のことで実感済みだし。
1人が好きでも孤立してしまえば、それは人生を上手く生きているとは言えないのではないかと思うし、そもそも孤立しても生きていけるほど自分が強いとも思っていないから、適度にいいかんじに人との関係を今後も築いていきたい。
最後に
一緒に映画を観てくれた友人たち、感想まで教えてくれて本当にありがとう。
身近な人の感想を聞けるの久しぶりの感覚な上に嬉しすぎて泣けそうでした。